小指を絡めて明日を望む







「私、そろそろ帰る」
「ん」
「……なに、小指何か出して」
「指切り」
「は?」



 指切りってあれか。嘘ついたらはりせんぼん、みたいな。って、「なんで」しなきゃならないのか。

 悠哉の、男らしい手でも小指だけがぴんとのびている。何だか変だ。指切りするような歳でもない。むしろ、と私はわずかに回りを気にした。この歳で指切りなんて。いや、今なんて小学生でもしない。

 戸惑う私をよそに、悠哉は「約束」と。



「美穂乃は明日も生きますっていう約束をしろ」



 な、にそれ。
 しってるの?と聞きたくなった。

 私が、世界とおさらばする予定だって。
 まさか。いつもと変わらないように話していたはずだ。そう。


 
「明日、話題のグレープ屋につれてってやるから」
「……」



 私は、わからない。
 けれど。
 私に明日はありません。
 そう、決めていたんだけどな…。
 


「仕方ないな。悠哉の奢りだからね」
「いつもだろーがそれ」



 私は、自分の小指を絡める。
 



 《小指を絡めて明日を望む》




 明日、私は彼の約束を守るのだろうか―――――。











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