竜王華伝 (完)
ん?あたしに言ってるのか?

違うよね?うん、、

―グイッ

「え、きゃっ!」

無視していこうとしたら、今度は引っ張れて転んでしまった。

「待ってっていったじゃん。」

「………、誰」

「あー忘れてるんだっけ?いぶのこと。
腹立つなあ。一人だけ逃げやがって!!」

なんのこと?

「朔のことも忘れてるんでしょ?なのに、普通な顔してるし!なんなの?!
アンタガ、今までどれだけ私を苦しめてきたと思ってるの? 辛かったのに。
本当の姿じゃ私を見てくれないって知ってたから!」

私ってー…。さっきまで、 いぶ だったのに。

「アンタガ、いなかったら!!!!
朔と、アンタが出会ったから!!
私の人生台無しよ!アンタなんて死ねばいいのに!消えろ!私の前から!

ねえ、もう一度自殺してよ!!

私から、全部取っていかないでよっ!!」

―ねえ、誰?
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