恋する淑女は、会議室で夢を見る


「あ のぉ …?」


「真優」

「はぃ?」

白木匡は桐谷遥人を睨んだまま
真優に声をかけた。


「真優は、このセクハラ上司をどう思ってるんだ?」


「へ?
 …  どうって

 セクハラ専務はぁ…

 なんか あたしのこと最近

  キライみたいで…」


笑い上戸は泣き上戸になった。

深く傷ついた数日前のことをまざまざと思い出した真優の瞳には、みるみる涙が溢れてくる。



うっ…

  ううっ…


「ごめん」


「…ぇ?」

「この前はすまなかった
 …泣くな」


「ショックだったんですからー
 うわぁーん」

せんむぅー

ヒシッと抱きついてきた真優をしっかりと抱きしめる遥人の頬が、勝ち誇ったようにニヤリと緩む。



「自分から抱きついてくるんだから
 仕方がないよなぁー」


「真優!
 その男から離れろっ!」



「お嬢さまっ!」

!!!

「あ、ユキ」




・・・
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