恋する淑女は、会議室で夢を見る
*...*...*...*...*




「おはようございまーす」

「おはよう」


週明けの月曜日、
氷室先輩の出勤は、いつもより少しだけ遅かった。

珈琲を手に、席に座った先輩は
軽く首や肩を回して溜息をついている。


「…寝不足ですか?」

「うん まあな」と、 先輩は答えた。

そして 珈琲を飲む。



「…」



―― 寝不足

 キス

       あの唇


…グラマーな恋人




「…?」 

視線に気づいた氷室先輩が、チラッと真優を見た。




「あ…いや あの

 今日の珈琲 美味しいですよね!」


「…そうか?」

「いつもと同じじゃね?」 と、怪訝そうに言う先輩をよそに
真優はあわててペンをとって書類を広げた。
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