恋する淑女は、会議室で夢を見る


*...*...*...*...*





会場の入口前で、花嫁や花婿や親族が来賓を出迎え 挨拶をしていた。

かしこまって挨拶をして
あらためて花嫁と目を合わせると
彼女は真優が知っている女の子だった。


「あっ…!!!」


「――?
 あぁ… あなた…」




*...*...*...*...*



 

―― あれは確か 高校生の時



御曹司や令嬢たちが通う青扇学園の制服を着た女の子と、
真優と同じ公立高校の 同じクラスの女の子が、道路脇でもめていた。

心配した真優が駆け寄って話を聞くと 
真優のクラスメイトがお嬢様とぶつかって、
その反動でお嬢様がバッグを落としバッグを汚してしまったのだという。


『どうしてくれるのかしら』


真優の同級生1人に対して
相手は、当事者のお嬢様の他に
彼女を援護するように取り囲むお嬢様達4人。


同級生の隣に立って、真優も一緒に謝ったが
意地の悪いお嬢様の怒りは収まらない。

なんど謝っても “ちゃんと謝って”と、いう。



真優とクラスメイトは、途中で気がついた。

お嬢様の謝ってとは、
頭を下げるんじゃなくて、ここで土下座をして謝れと言っているのだと。

< 37 / 210 >

この作品をシェア

pagetop