さくら


「ありがとな、気にかけてもろて」

「気にすんな。どうせ桜子への下心もあるから」
生姜焼きを頬張りながら、朝倉がニヤリとする。

「下心?」

「そう。お前のこと義兄さんて呼んでもいい?」

義兄さん・・・・・?
志信の頭の中で、上手く変換出来ない。

「志信?」

「・・・・・・・・・・桜子となんかあんのか?」
自分でも驚くぐらい冷たい声が出た。朝倉の箸が止まる。

「今は何にも。これから何かあったらええなと」

「10歳も年下やぞ?」

「10年前なら犯罪やけど桜子ってもう25やろ。35と25、何の問題もないやん」

「ある!お前はともかく桜子の気持ちは!?」

「桜子の気持ちも確認済って言うたら?」

志信は後頭部を思い切り殴られたような気分になった。
< 62 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop