千年姫の幻想界

    私の事を、覚えていますか?







──それはきっとお伽噺で


運命の人と恋に落ち

永遠に、結ばれるのよ。



そんな人間界の幻想を

小さい頃は、信じてた。



あんなに胸が苦しいなんて……
こんなに涙が溢れるなんて……


貴方に会うまで

知らなかったの──






溢れる涙と一緒に言った

「ありがとう」

貴方に届いていますように。



流れる涙と一緒に言った

「さようなら」

貴方に届いていませんように。













──お元気ですか?
私の事を、覚えていますか?


貴方の心に、私は居ますか──?


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