今日、雨が降ったら【短編】
私たちはいつものように他愛のない話をした。


バスが会社近くのバス停に着くのはあっという間。


私と葛城さんは部署が違うから、新入社員の時に葛城さんにバスで話しかけられるまでは失礼な話、存在すら知らなかった。


第一営業部は近距離出張ばかりで旅費の精算はほとんどない。


つまり経理部、とくに社員の旅費などの精算を担当している私とは関わりなんてほぼ皆無。


なので今でもバスの中では話すけれど、社内での接点がない私はバスが着いてからは話したことはほぼない。


だからこそこのバスの中での時間は貴重だった。


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