ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL
「え…………」
チケットの場所を聞いた瞬間、全身がすうっと冷たくなる。
うさぎパークって、確かあの怖い夢に――……。
視界が薄暗くなっていき、闇が広がっていく。
「……うさ。うさ……!」
優人君に名前を呼ばれ、はっとする。
気遣う優人君の顔が、私の両目にくっきりと映る。
「大丈夫?」
私は小さく息を吐く。
「う……うん」
「良かった……」
優人君はほっとした表情でそう言うと、チケットを、はい、と、私に手渡す。
「じゃあ、5月31日に現地集合で」
「うん……」
私が短く答えると、優人君は爽やかな笑みを浮かべ、先に歩いて行く。
私はチケットを見ると、誰にも聞こえないような声で呟いた。
「……気のせいだ。きっと……、気のせいだ」