ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL

 しばらくして、パタパタッと走ってくる音が聞こえた。

 扉が開き、看護師と雨瀬先輩のお母さんが病室に入ってきた。

「うさ葉ちゃん、どうしたの!? 大丈……」

 雨瀬先輩のお母さんは、雨瀬先輩を見て固まる。

「柚……人……?」

「母……さん……」

 看護師は機械を見る。

「バイタル、安定しているようですね。先生呼んできます」

 看護師は病室を出て行く。

 雨瀬先輩のお母さんは雨瀬先輩に近寄ると、雨瀬先輩の顔をペチペチと叩く。

「柚人のバカーー!! もうっ、どんだけ心配したと思ってるのよー! バカーー!!」

「痛っ……!!」

 看護師が医師を連れて戻ってきた。

「お母さん、病人に何やってるんですか!」

 医師がそう言うと、雨瀬先輩のお母さんは叩くのをやめる。

「すみません、嬉しくてつい……」

 医師は困り顔を浮かべると、

「ちょっと、胸の音を聞かせて下さい」

 と言って、雨瀬先輩の胸に聴診器を当てる。

「まぁ、バイタルも安定してるようだし、大丈夫そうだね。長い間眠っていたからもうだめかと思っていたけど、目覚めて良かった。明日から少しずつリハビリして行こう」

 と言った。

 雨瀬先輩は、はい、と短く答えた。
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