寂しがりヒーロー

それでも僕は臆病なので。

教室まで、走って戻ってきた。


「ちょ、伊月!大丈夫!?」


すぐにカモちゃんが駆け寄ってきた。


「っはぁ、ごめん、だいじょーぶ」

「もう、なんであんなところに行っちゃったのよ!怪我しちゃうでしょ!さっきだって、仁太くんがいなきゃ...」

「...うん、ごめん」


よかった。
カモちゃん、何も勘付いてないっぽい。


「それより、大丈夫なのかな、先輩とか、仁太くんとか」

「...大丈夫...だよ、強いから、みんな」


うん。
強いから、僕なんかいなくても大丈夫。

そう思って、僕は校庭の方を見た。

ここからでも分かる、仁太くんの不機嫌さに、僕は窓から目を逸らした。
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