寂しがりヒーロー
「...僕、捨て子なんだよね。だから、親に愛情とか、かけてもらえなくて。そんな僕を、救ってくれたのがカモちゃんなの。カモちゃんが、僕の隣でいつも笑ってて、笑わせてくれて、優しくしてくれた」


仁太くんは、何も言わずにずっと聞いている。


「...でもね、それは、カモちゃんが優しい人だからだと思う。弱い人には優しい。僕は、カモちゃんにとって、きっと弟みたいなもの。そんな僕が、殴り合いで次々人を倒していって、トップになって...。そしたら、どうなるか...僕には予想できちゃう」


...きっと...きっとカモちゃんは...。


「...きっとカモちゃんは、怖がって、逃げちゃう。怖がられるか、もう一人で大丈夫でしょって、見捨てられるか。...そんなの、やだ。...独りに、なりたくない...っ」


話してるうちに、泣きそうになる。
やっぱり、精神面は本当に子どもだなって思う。


「お願い、仁太くん...。カモちゃんに、言わないで...。カモちゃんには、隠させて...?」


僕がそう言うと、仁太くんは一つ息を吐いて、僕を見た。
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