寂しがりヒーロー
ご。

逃げるしかありません。

「良くなって良かったねー、伊月」

「うん!ほんと、ありがとね」

「いえいえー!元気になって安心したよー」


僕も安心した。
本当、カモちゃんをとられなくてよかった。


「お、伊月、カモ。おはよー」

「あ、仁太くん!おはよ!」

「おはよう!昨日はありがと!」


学校について、仁太くんに挨拶する。


「おう。んー...熱はもうねぇな。まぁ、からかったらまたすぐ赤くなるんだろうけど?」

「ちょっ...止めてよ!?」

「ははっ、伊月の反応はマジでおもしれぇからなー」


仁太くんとの距離も、縮まった気がする。


「おはよー!望波!」

「あ、梨子!おはよ!じゃあ、伊月、仁太くん、またね!」

「うん!また!」

「おう。また後でな」


カモちゃんが友達と走っていって、仁太くんと歩いていると、後ろからバタバタと走る音。
振り向くと、絋ちゃんや玲達が走ってきていた。


「伊月さん、仁太!」

「わぁ、みんな揃って...おはよー」

「無事でしたか!?」

「うん。仁太くんのお陰で無傷!」

「あぁ...よかったです。熱も、ありませんか?」

「うん。それも大丈夫。心配かけてごめんね」

「いえいえ!伊月さんが無事ならよかったっすよ!」


そう言ってみんな、安心したような表情を浮かべた。
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