寂しがりヒーロー
「...っ、寒い...」


だんだん日が落ちてきて、気温もだんだん下がっていく。

僕は公園の遊具のトンネルの中に入り、ぎゅっと身を縮めて、動かずにいた。

自分を抱き締めるように、寒さに耐える。
...いや、こうしてなきゃ、独りぼっちを受け入れるようで、泣いてしまいそうだったから、かも。

一人で逃げて、独りになって。
...僕は、何をしているんだろう。

仁太くんの言葉を思い出す。

『お前は信じてねぇんだよな、カモを』

...うん。
そうかもしれない。

僕を知って、逃げていってしまうかもしれないって疑っているから、僕は逃げるんだ。

...でもね、本当は、信じたいよ。
カモちゃんのこと、信じたい。
僕がこんなヤツだって知っても、一緒に笑っていてくれるって。
カモちゃんは僕のことを嫌ったりしないって。
そう思いたいよ。


「うっ...く...」


泣き声が、響く。


「...っはぁ、はぁ、一人で泣いてんじゃねーよ、バーカ」


...小さなトンネルの中に響いた、優しい声。

僕は顔を上げた。

そこには、雨でびしょ濡れになった仁太くんがいた。
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