見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~
「ごめんね先生。すっかり遅くなっちゃった」

「いいよ。私もぜんぜん気づかなかったし」



片付けを終わらせて、多希と一緒に会館を出た頃には、辺りはもうすっかり真っ暗。


昼間の熱波を残した空気の中で、リンリン…と涼しげな虫の鳴き声が聞こえていた。


すっかり遅くなっちゃった。

兄貴、心配してるかな。

早く帰ろう。



「家まで送る」


「えっ?あっ、い、いいよ」


「だめ。送る」
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