ただの幼なじみじゃいられない!



「俺…咲はいいやつだと思ってるから。」


「へ…?」


「だから…ヒロが言ってたことなんか、気にすんなよ。」



まっすぐあたしの目を見て、爽太はそんなふうに言ってくれた。


突然のことでビックリしてしまった。



「ヒロはたまたま咲のよさがわかんなかっただけで…その、俺は咲のいいところいっぱい知ってるし!」


「………っ」



照れてるのか、斜め上に視線を向けてごにょごにょとそう話す爽太に、なんだか心がきゅっとなった。


もう、なんでこんなときに優しくしてくれるの…?


嬉しいよ…。


ありがとう…爽太…。


…爽太が慰めてくれたのに、あたしはさっきのことばかり思い出して、また泣きそうになる。


目に涙がじわりと浮かんだ。


爽太が元気付けようとしてくれてるのに…本当に弱虫だなあ、あたし。


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