ただの幼なじみじゃいられない!
…しゃくり上げているあたしの目の前に、人の気配を感じた気がした。
すると、ふわっと大きなあたたかいものがあたしの頭に乗っかった。
…爽太の手だ。
爽太はそのまま、あたしの頭を撫でてくれた。
小さい子どもをあやすように、優しく。
…そういえば、いつ以来かな?
爽太の前でこんな大泣きするの。
爽太ってば、さっきまであたしのことをからかっていたのに。
急に優しくしてくれるなんて、変なの。
あたしはつっけんどんな態度をとってしまったのに。
なんだか、調子が狂ってしまう。
そう思いながらも、あたしは爽太にすがりついて…泣いた。