私の思い~きっかけとタイミング~
津田の手には紙袋が下げられている。

目的のプレゼントは買ったのだから、もうお役御免だ。

なのにこんな所で、お茶なんかしているから…。

津田のその言葉を背に受けながら、うつろに俺は歩く。

どうしたらいいんだ。

まずは家に帰ったら、彼女に電話してみよう。

多分彼女には言い訳にしか感じないんだろうけど、伝えない事には始まらない。

いや、正確に言えば、何も始まっていないんだ。

それにしても、彼女と居た男はやっぱり彼氏なんだろうか。

もちろんそういう状況も想定していた。

そして例え彼氏が居ても、そんな事関係ないと思っていた。

でも…。

実際こういう状況になって、あまりにも女々しい自分に驚く。

俺はどうやって家にたどり着いたんだろう。

気が付くと自分のマンションのドアの前で、考え込んでいた。
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