私の思い~きっかけとタイミング~
いつものニコニコした山本先生の笑顔を思い出させるような声。

「何か御用でしたか?」

確か山本先生から電話がかかってくるような用件はないはず。

「美紗ちゃん、夕飯は済んでる?」

あのまま帰って来ちゃったから、何も食べていない。

そう言えばお腹が空いたな。

「いいえ、今帰って来たところなのでこれからです。」

私は返事をした。

「それならさ、今から家に来ない?嫁さんがたくさんおかずを作り過ぎちゃってさ~。」

呑気な感じで山本先生は笑う。

後ろで奥様が何かを言っている。

それは何と言っているか聞き取れなかったが。

そうだな。

一人でいても今日の事をぐるぐる考えて、気が滅入ってしまいそう。

「もし良ければ、お邪魔しても良いですか?」
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