私の思い~きっかけとタイミング~
午後は午前中の遅れを取り戻すかのように、集中して仕事をした。

いろいろ考えてもダメだ。

とにかく今は仕事をこなそう。

他の雑念を追い払うかのように、私はパソコンに向かっていた。

「新田さん。」

そろそろ7時という頃に、営業の若い子が私に話しかけて来た。

綾子さんは先ほど帰ったところ。

「すいません。俺、結婚が決まったので、その手続きについて教えて下さい。」

「おめでとう。ちょっと待ってね。」

私はニッコリ笑うと書類を取り出して、それの書き方を説明していく。

「ありがとうございます。少し帰りが遅くなってしまいましたね。すいませんでした。」

チラリと時計を見ると、7時半はとうに過ぎている。

「いいえ、営業さんは忙しいから、退社前じゃないと総務に寄れないわよね。」

そういうと彼は頭を下げて言った。
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