私の思い~きっかけとタイミング~

些細な事を覚えてもらっていて、嬉しかった。

「何をそんなに緊張しているの?さっきの威勢はどこ行っちゃったんだ?」

さっき玄関の前で帰ると私が言った事を指しているんだろう。

「そんな美紗も可愛い。」

驚いている私の顔を見ながら、微笑む恵太。

「おい、もう一回俺の事呼んでみろよ。」

意地悪そうな表情に変わった。

「…もう一回って、やっぱり聞こえていたんじゃない。」

私は頬を膨らませて、食ってかかる。

「だって、ちゃんと呼ばれたいに決まっているだろう。」

ぷいと私は視線を逸らす。

いまさら改まって言えない。

恥ずかしい。

すると横に座っていた恵太は私の方にさらに私に近づいてくる。

「あの…。」
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