私の思い～きっかけとタイミング～

そんな私達の様子を見て笑う先生夫婦。

「先生、笑っている場合じゃないですよ。」

恵太は情けない声を出す。

「それが良いのよ。二人ともこんなに早くお互いの地を出せるなんて良い事よ。」

溜まりかねたように奥様は笑い出した。

私達は顔を見合わす。

「そうそう、繕っていればいるほど後でその反動で大喧嘩する事になる。初めから自分達の気持ちをぶつけ合えれば、それに越したことはない。」

そう言う先生からは大人の余裕がにじみ出ている。

「ちゃんと冷静に話し合いなさい。二人にとって大事な事なんだから。」

そう言った先生の横で奥様が言った。

「つまらない喧嘩でお互いを手放すことが無いようにね。」

なんて素敵なご夫婦なんだろう。

私達も長く時間を過ごすようになると、こんな風になれるのかな。

私は恵太を見た。