私の思い～きっかけとタイミング～

恵太side

俺には何にもやましい事はない。

でも心臓に悪すぎる。

一登の言う通り、今日の津田はおかしかった。

俺は知らず知らずのうちに、思わせぶりな態度を取ってしまったのだろうか。

俺はランチの為に入った店で、横に座る美紗を見る。

良かった…。

美紗を失う事にならなくて…。

もちろん一登夫婦にしっかり助けられた。

「思いを伝えるのに、早い遅いは関係ないわ。」

美紗のあの言葉に俺はぐっと来たんだ。

もし早い者勝ちなら、美紗は間違いなくあの上司のものだった。

今でも嫌な気持ちが沸き起こる。

「恵太、食べないの？」

美味しそうなオムライスを前に、嬉しそうな顔をする美紗。

さっきあんな事があったせいか、本来より影があるその笑顔。