私の思い~きっかけとタイミング~
美紗はかなり頑張って、自分の荷物を最小限に抑えたようだ。

電化製品の大半は、ここには運ばれていない。

昨日までに処分したのだろう。

電話が通じていれば、いろいろと手伝う事も出来たのに。

でも美紗らしい。

そんな事を考えながら、俺は引っ越し業者に空いている部屋に美紗の荷物を運んでもらった。

引っ越し業者は慣れた手つきで作業を終わらせると、さっさと帰って行った。

まだ片付いていない美紗の荷物を見るだけで、顔がにやけてくる。

美紗がここに戻って来てくれた。

ひとまずはそれで満足だ。

後は美紗本人を待つだけだ。

それに気が付くと、俺はそわそわし始めた。

待っている時間は長く感じる。

そう、美紗はなかなかやって来ない。

まさかこの場に及んで逃げたりしないよな。
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