私の思い~きっかけとタイミング~
だから、渋々俺は裏道を使っていた。

俺は運転に慣れていない間、朝狭い所で車が来ないように祈りながら走っていた。

大抵早番の日にはあの軽自動車と遭遇する。

しかも一番狭い場所。

とにかく早くその場所を通り過ぎたいがために、つい突っ込んでしまう。

そういう時に限って、本当によくあの軽自動車と遭遇するのだ。

まるで時間を合わせているかのように。

でも相手がうまくすれ違ってくれる。

俺はその事に気が付くと、だんだんその車を運転している人が気になって来た。

一応こちらが迷惑をかけている自覚はあったから。

なかなか朝の車のフロントガラスは、日の光の関係で運転席の人の顔はこちらからはっきり見えない。

だからその頃になると相手を確認するために、わざと車を突っ込んでいた。

俺が彼女だったら、とっくに車から降りて怒っている事だろう。

そして時々見るその困ったような、怒ったような表情を見るのが楽しみなっていたのだ。
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