私の思い~きっかけとタイミング~

私達は食事が終わると、会社に戻った。

「今日はありがとうございました。」

私は井上さんの言葉に甘えて、食事代は出してもらった。

駐車場で別れようとしたその時。

私は後ろから、井上さんに腕を取られた。

「い、井上さん?」

びっくりする私をじっと見つめる井上さん。

気が付いた時には、私の唇を井上さんが塞いでいた。

私はびっくりして、抵抗も出来なかった。

唇を離した井上さんはこう囁いた。

「俺の気持ち、本気だから。ちゃんと考えて欲しい。」

そしてそのまま身をひるがえすと、去っていく。

私は呆然として、その後姿をただ見つめているだけだった。

しばらく私は立ちつくしていたのかもしれない。

我に返ると、慌てて自分の車に乗り込んだ。
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