ねぇ、聞いて。
「何で…」
「今日、優勝してCDを出すのはあなたちよ。
私のところでデビューすればいいわ。」
「何でそんなこと分かるんですか?」
私がそう言うと女の人は優しい笑顔をむけた。
「私、耳がいいの。
聞けば分かるわよ。貴方の声、歌
全て本物だわ。
久しぶりに『天才』見つけちゃった。」
そう言って女の人は私の前から去っていった。
『天才』
あの筧 薫に…
私は信じられなくて呆然としていた。