足音
《「じゃあ! ミエを撮ってよ! ほらほら~!」

 ヒロトは隣に座っている、自分をミエと呼ぶ女性にアングルを変えた。

 ミエはやたらピースをしたり、やたらテンションが高く、その様子が彼女のポニーテールの動きによく現れている。

「ミエ、少しは落ち着きなさい」

 と、冷静に声をかけたのは助手席に座る女性。 手帳に書かれた内容からすると残りのナツコという女性だろう。

「はーい、……でもナツコ先輩もさっきまで。あ、カメラが回ってるからですか!?」

「ばか、何も変わってないって」

 ミエは反省するそぶりも見せずに、ナツコをからかい始めた。そんなナツコを救ったのはエイジの一言だった。

「そんなことより、もうすぐつくぞ」

 フロントの窓の先には薄気味悪いトンネルがヘッドライトにぼんやりと照らされていた。》

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