白黒のぬくもり
出口を探しはじめる。
「出れないよー」
何度かお風呂に入れるうちにすっかり風呂嫌いになってしまった。

蚤取り用シャンプーを買ってきたので、シャワーでまんべんなく毛を濡らし、適当にシャンプーをつける。
ゴシゴシし始めると若干静かになる。
洗いながらよーく毛の付け根をみると蚤がいた!

「アルト!蚤いるじゃん!」一匹いるってことは数匹いるのは間違いない。
念入りに洗って、2回シャンプーした。
ついでにトリートメントもしておく。

「蚤全部取れたかなぁ」乾いたら後でコームで確認しなければ。

相変わらずタオルで拭かれるのは嫌がった、後ろ足の爪が私の右二の腕を引っ掻き、血がにじんだ。
これ以上暴れられても困るので、まだびしょ濡れではあったが風呂場の戸を開けると転倒しながら走って逃げていった。

「どうしょうもないなぁ…」風呂場を洗い流し、足を拭きながら庭をみるとびしょ濡れのアルトが地べたに座って毛を舐めている。

「せっかく綺麗にしたのにまたすぐ汚くなっちゃうなぁ…」ため息が出る。


そんなアルトも色々と成長していたり、顔が広くなったりしてきたようだ。
ご近所ではアルトはちょっとした有名猫である。
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