光の少女Ⅳ【神魔界編】
2

「私が闘神になるより前に、神界ではある事件が起きていたんだ」

「事件?」

「ああ、詳しくはまたいつか時間がある時に話す。・・・とにかく、その時に私は父を失い、私自身も危機に陥った。その時に私を助けたのが封魔だ。・・・そして、封魔は私の父の上司でもあった」

「神蘭さんのお父さんの上司!?えっと、それじゃあ、封魔さんって一体・・・」


神蘭達、神族が見た目通りの年齢ではないことは知っている。

だが、封魔と神蘭達に年齢差がそんなにあるとは思えなくって、花音は少し混乱する。

それがわかったのだろう、神蘭がクスリと笑った。


「ふふ、封魔は年齢的には私達と変わらないよ。ただ、彼の場合、幼い頃から闘神になるべく育てられたから、私達よりは先に闘神になっていた。・・・そう、その事件の時にも私達の前の闘神達と一緒に動いていた。・・・そして、その事件の時の闘神達の唯一の生き残り」

「!?・・・待って!じゃあ、他の闘神の人達は?」

「・・・もういない。・・・生きているのか、死んでるのかも分からない。封魔もこのことには口を割らなくてな。・・・ある一定の期間を過ぎたところで、死亡扱いになった」


そう話している神蘭の表情は辛そうなものだった。
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