光の少女Ⅳ【神魔界編】

第2章 襲撃

1
魔界へと来た次の日。

朝少し早く目が覚めた花音は、与えられた部屋を出て、屋敷の中を歩いていた。


「何だ?もう起きたのか?」


聞こえてきた声に足を止め、視線を向ける。そこには〈風夜〉の姿があった。


「〈風夜〉の方こそ・・・」

「・・・違う」

「えっ?」


言葉を遮ったうえに否定もされて、目を丸くする。

「違うって・・・」

「俺の名前がだ。あいつと別人になったからって、名前が変わったんだよ。一文字違いだけどな」


何でもないような顔をしながらも、どこか嬉しそうにしていることに思わず、クスリと笑う。


「な、何だよ?」

「何でもないよ。それより、聞いてもいい?」

「ああ、風牙だ」

「そっか。良かったね」


花音が言うと、彼は今度こそ嬉しそうに笑った。

だが、すぐにその表情を険しいものへと変化させる。
< 62 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop