光の少女Ⅳ【神魔界編】
3

「そう。牙王はやられたのね」


呟いた黒姫のもとから、蝙蝠が飛び去っていく。


「それも、私達に逆らう魔族に」

「奴等は神族共を匿っている。此方の被害を抑えるには、奴等がこの地に慣れ、本来の力を出せるようになる前に決着をつけたいところだが」

「ふふ」

「何を笑っている?黒蘭」


闇王の言葉に、黒姫達の視線が向く。

黒蘭は怪しげな本を見ながら、笑みを浮かべていた。


「随分楽しそうだけど、何か策を思い付いたのかしら?」


問い掛けた窮姫に、黒蘭は再び「ふふふ」と笑い、黒姫の前に膝を着く。


「黒姫様、次は私にお任せください。牙王のような失敗はしませんわ」

「・・・いいわ。但し、私、つまらないものは見たくないの」

「ええ、退屈はさせませんわ」

「そう・・・、なら行きなさい」

「はい」


そして黒姫に一礼した黒蘭は姿を消した。
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