隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


そんな気持ちを隠すように、俺は二つ目を頬張った。



「お前も早く食べろよ」



「い、言われなくたって食べます!」



俺に負けじと餃子を頬張る茉奈。



「…美味しいっ」



「だろ?」



自分で頑張ったせいか、目をキラキラさせて、笑顔を浮かべて美味しそうに食べていた。



そんな茉奈の姿にドキッとする。



普段はケンカばかりの俺たち。



いつもは見せない茉奈の素直な笑顔に俺は…



〝かわいい〟



なんて思ってしまった。



久しぶりだな、こんな茉奈の笑顔を見るのは。



本当なら毎日この笑顔を見たい。



「何笑ってんだよ、気持ち悪い」



「はぁ?最低!」



なのに素直になれない俺は……



恋に不器用なだけ。



俺は、茉奈が好きだ。

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