わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜



「望絵、階段気を付けてね」

「うん…大丈夫。
目が慣れてきたから…」


確かに、少しは見えるようになってきたけど。


かといってここから走れと言われても、絶対壁にぶつかるから無理って程度。


もうちょっと慣れたら走れるかも…。


私たちは、どうにか2年生の教室がある3階から1階へ降りて生徒玄関にたどり着いた。


そこには…校内放送で呼び出されていた、全ての人が集まっていた。


「え………皆、まだ学校にいたの?」


びっくりして問い掛けると、そこにいた一人の男子がこちらを向いた。


「あー…てめぇらもいたのか。
全員そろったみてーだな」


そう眉間にシワを寄せて煩わしそうに言ったのは、毒舌で有名な悠人くん。


私はあんまり話したこととかないんだけど…。


と言うか、悠人くんが友達と仲良く話しているのを見たことがないかもしれない。


「もー悠人、人を威嚇しちゃダメだって俺いつも言ってんじゃーん!
だから友達いないんだよ~」


………歩以外とは。


歩と悠人くんは幼馴染みらしく、いつも一緒に…いや、いつも歩が悠人くんの近くにいる。


歩は悠人くんとは違って人懐っこい性格。


くん付けして読んだら、呼び捨てで良いって言うか是非呼び捨てで呼んで!!と力説されたので呼び捨てで呼んでいる。


顔もそれなりに良いせいか、結構なモテ男だ。



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