婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
真実

翌日、なつは病院の植え込みに頭を突っ込みながら、必死に指輪を探していた。

もう二度と圭司に会うつもりはなかったけれど、指輪だけはどうしても手放したくなかった。

『圭司の愛の証』だから。

けれど、1時間以上探しても指輪は見当たらず、すっかり日も落ちてしまった。

今日はもう諦めようかと腰を上げたその瞬間、見覚えのある黒塗りのベンツが病院の駐車場へと入ってきた。

「あれって………田島さん」

なつは咄嗟に体を縮めて植え込みの中に身を隠した。
指輪を探していることがバレたら厄介だ。

なつはかがんだ姿勢のまま田島が車から立ち去るのを待っていた。

バタンと音がして田島が運転席から降りてきた。
けれど彼は病院の入口ではなく、反対方向へと歩いて行く。

なつは不思議に思いながら田島の様子を伺っていた。

すると、新たに一台のベンツが入ってきて、田島の脇にスッと止まった。

田島は辺りをキョロキョロと警戒しながら、運転席の男と話し始めた。

「あっ、あの男!」

なつは田島と話している男を見て青ざめた。
その男は、つい昨日なつ達を襲ったチンピラのひとりだったのだ。

やっぱり信吾は青龍会と繋がっている。

なつは驚愕の真実を目にしパニックに陥った。


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