●飴森くんの王子。
 
 
 
俄然やる気が湧き上がってきてぐっと拳を作ると、
リューが「なんだそれ」と呆れたように私を見た。
 
 
 
 
「まさかとは思うけど、応援しようとか考えてないよな」
 
「えっ!? まままままっさかー」
 
 
 
 
リューに応援するよなんて言ったら絶対殺される。
なんか昔からあたしに応援されるのが嫌いらしいからなぁ。
 
 
 
 
昔は応援するなと言われてもこっそり応援してたけどさ。
 
昔みたいな可愛い面影が少しでも残っていれば救いようがあったんだけど
今は綺麗さっぱりないから最近応援する気も失せてたんだよな。
 
 
が、しかし許婚のことが消されるのなら喜んで協力しますが!
ということで今回も昔のようにこっそり応援させて頂きますよ。
 
 
心の中でそう呟くのと、リューが口を開くのが同時だった。
 
 
 
 
「あのなぁ、お前顔に出てるぞ」
 
 
 
 
だけどその言葉も、小さい割にはよく通る声が遮った。
 
 
 
 


 
「――君らうるさい。いい加減黙らないと呪うよ?」
 


 
 
 
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