先生、と呼べなくなる日まで。

「おはよー」


階段を降りてリビングに入る。

するとキッチンから母の声が聞こえた。

『おはよう。朝練でしょ、急がないと遅刻するよ!』

「大丈夫だって」

『部長が遅刻したら後輩になめられるよ、早くご飯食べなさい』



ほぼ毎朝恒例のこのやりとり。

私は適当に受け流してテーブルに座る。



「いただきまーす」


作りたてのまだ熱いお味噌汁を飲む。

次に、小松菜のおひたし、大根おろし、玉子焼きと
私はお皿の上をどんどん たいらげていく。


やっぱり母の手料理は本当においしい。

きっと、『ほっぺたが落ちそうなくらい美味しい』ってこのことを言うんだ。
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