愛は呪縛



 部屋からアパートの外に出て通話に出る。

「なんの用ですか、大輝先輩」

『いやー、上手くいったかなと。確認』

「いきましたよ。ゆのか先輩慰めて、今彼女のとこにいます」

『そりゃ良かったな』

「ゆのか先輩、処女だったんですね。てっきり先輩が初めて奪ってると思ってたから、ちょっと驚きました」

『あ?別に体目当てじゃねーからな。そういう相手なら他にいるし』

「うわー。先輩が最低で良かった」

『お前な…』

「あ、そうだ大輝先輩。ありがとうございました。ゆのか先輩のこと譲ってくれて」

『そういう約束だったろ?別に改めて感謝なんて――』

「ゆのかのこと、絶対返さねーから。もう近づくなよ」

『は…?お前っ――』

「じゃあ、さようなら。大輝センパイ」

通話終了。

無理矢理こっちから切ってやる。

またゆのか先輩との時間を邪魔されたくないから電源もオフにしとこ。

よし、これでいい。


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