愛は呪縛

面倒臭いものを見る目だった。

私は太陽のような大輝くんの笑顔が好きだったのに、向けられた表情は正反対で。


「もうさ、終わりにしねぇ?」


面倒臭いものを見る目から、どうでもいいものを見る目に変わる。


「別れようぜ」


私は、なんて答えれば良かったんだろう。

あまりにも突然過ぎて、言葉を失ったまま呆然としていた。

そんな私に苛立ったのか、大輝くんはお弁当を食べ終わらずに席を立った。

私から離れた。

残されたのは、私と食べかけのお弁当。



フラれたんだ。



そう理解するまで、しばらくかかった。


ゆっくり、お弁当を片付ける。

大輝くんの食べかけ。

頑張って、作ったんだけどな。

この前、卵の味が好みじゃないって言ってたから、今日はリクエスト通りもっと甘くしてみたんだけど。

なんて……こんな私は大輝くんから見たら重かったのか…。

今更、気づかされるなんて…。



< 3 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop