天才少年と完璧少年…そして普通少女

「ハァァ…本当に嫌だ。与永いるじゃん。しかも与永絶対レギュラーじゃん。…しかも…」

「美夜、ソロデビュー!」

「うわぁぁぁ!!!!」

今日は悲鳴を上げっぱなしだ。
今は下校時間で、私と立華はいつも少し遅めに帰っている。
家が隣同士という事もあって、帰り道は絶対一緒なのだ。
途中から一人になるって事がないからいいよね!
…だが、今はそんな呑気な事は言えない。
次の本番…つまり、バスケ部の応援の時に何故か先輩が吹くべきアルトサックスのソロを、私が吹くという…
ただでさえ、ソロを吹くのはプレッシャーだと聞いたことがあるが、凡人の極みの私が吹くとなると、また別の意味でのプレッシャーを背負う事になる…
ソロ=一人で吹く。
何で先輩はこの時に私にソロをさせるのさぁ!!

「美夜頑張ってよ~」

グッ、とガッツポーズする立華。
色々な意味で、私は首をすくめた。

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