お菓子な男の子
「あ?ボランティア?明日から?」
「うん。人数足りないから斗真も強制参加ね」


部活が終わった放課後、斗真の家に寄った。結局参加することにしたボランティア。7人必要ということで、私が斗真を誘うことになった。


「俺、バスケ部なんだけど」
「だって、部活は今日から休みでしょ。問題ないよ」
「テスト勉強のための休みだろうが」
「斗真、そんな勉強しないとダメなわけ?頭悪いの?」


ちょっとした進学校は、部活にあまり力をいれていない。テスト範囲が出ると、部活は休止になる。だから本当はボランティアもダメなんだけどね。


けしかけられた斗真は……


「うるせぇ‼んなわけねぇだろ‼ただなっ……ほら、俺は星知らねぇし……」
「んー、そうだね。千夜先輩みたいに天文部じゃないし、星の知識ないしね。ごめん、無理言って。ほかの人に頼んでみるよ。真島くんとかさ」


これが最大の私の手。自信はあった。ヤツを落とす自信。


「千夜煌いんのかよ……しかも真島に頼る……」
「じゃ、帰るよ」


帰ると言っても隣の家だけど。
立ち去ろうと後ろを向いた私を、少し焦ったような斗真の声が呼び止めた。


「何時からだっ‼」
「何が?」
「だから、そのボランティアがだよ」


思わせぶりな感じでゆっくり振り向いた私。斗真を動かすのは簡単だ、なんて、長年の経験から思ってしまう。
それだけアッチも私のことをよくわかってるはずなんだけど、引っかかってくれる。


「明日は5時から7時までだってさ。特典もあるらしいし、頑張ろーね!」
「特典?なんだ、それ!おいって!」


面倒なことになると嫌だから、特典の話は無視して家に帰った。
真島くんのことはリンゴが、久喜会長のことは千夜先輩が誘ってくる予定だ。


なんだかんだで、このメンツで会うことが当たり前になりそうだな……と考えたら、ちょっと笑顔になってしまった自分に気づいて、驚いた。
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