お菓子な男の子
「何をやらせてもらえるんだろうね」


プラネタリウム館、スペーシアに向かう私たち。真島くんがつぶやいた。
その隣をリンゴが、後ろを私が歩いている。私の隣には、少しふてくされている斗真。ちょっと離れた後ろに、一方的にじゃれあう花梨ちゃんと千夜先輩。それをさらに後ろから笑顔(?)で見ている久喜会長。



「私、プラネタリウムの解説の声やりたい!もう原稿とかなくてもできる!」
「それってテープじゃないの?」
「スペーシアはね、毎回職員さんがしゃべってるの!大変だけど、だから味があるっていうか安心感があるっていうか!」
「へぇ、すごいんだね」


リンゴが真島くんに得意げに話している。真島くんは本当に関心しているように聞いている。
私はその様子を見てるのが、なんか楽しかった。


「なぁ杏奈。特典って何なんだよ」
「まだ気にしてんの?ボランティア終わればわかるんだから、楽しみにしときなよ」
「……もうひとつ。なんで真島いんだよ」
「7人必要だったから」
「俺乗せられたのかよ……」
「あ、やっと気づいた?」


さらにふてくされる斗真。後ろからは楽しそうな声が聞こえる。


「夜までコウちゃんと一緒だね!」
「俺も嬉しいぞ、チヨ」
「カズちゃん、本当に生徒会大丈夫だったの?」
「あぁ。遠山とチヨを見てるほうが有意義だからな」
「俺はもう帰りたい……」


プラネタリウム館「スペーシア」はもう少しだ。
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