お菓子な男の子
「みんな、ほんっっとうにありがとね‼‼すごく助かりました‼昨日から中間テスト始まってるんだよね……土日もつぶしちゃってごめんなさい。あっ、こんなこと話している時間ももったいないよね、ごめんなさい。でもこれがみんなにとっていい経験になってくれていればうれしいな。そして星にもっと興味をもって、いずれ一緒に働けたら……あれ?今日は最後まで聞いてくれた……」


毎度のごとく栗村さんの話は長かったけど、最終日だと思ったらちょっと泣きそう。
この2週間のボランティアは、確かにいろいろと大変だった。でも……


千夜先輩の家に泊まってポスターを作った。
土日のイベントは予想以上の来客にバタバタした。
ボランティアのあとみんなで焼き肉を食べにいった。
職員さんって呼ばれて少し嬉しかった。
プラネタリウムの解説をさせてもらえて感動した。


……やってよかったと思う。


「シュウちゃん、私たちのほうこそありがと!楽しかったよ」
「花梨ちゃん……なんか私泣きそうだよ…」
「ポスターありがとな!助かったよ」
「あっ、呉さん。狭間さん」


抱きあう栗村さんと花梨ちゃんの後ろから、呉さんと狭間さんが顔を出した。ポスター以外でもいろいろお世話になった。もう先輩と後輩って感じ。


「この数日間で君たちは成長したように思えるよ。おつかれさま」
「本当にありがとうございました」


呉さんが笑顔で、肩をポンとたたいてくれた。なんだか……


「あなたたち。最後のお別れみたいになってるけど、どうせこの子たちここに遊びにくるんでしょ。なんでこんなしんみりモードなのか理解できないわ」


狭間さんがはっきり言った。


「「「「確かに……」」」」


……徐々に冷えてきた。
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