お菓子な男の子
「はぁ~あぁ~あ……なんか疲れたぁ」


自分の席についた時には、どっと疲れがたまっていた。登校だけでこんななんて……
明日から早起きして、一人で来よう…


「アンちゃん大丈夫?まだ始まってもないよ?学校」
「だってさぁ、またアイツらがさぁ」
「人気者はつらいんだね、アンちゃん」
「そうじゃないよ、リンゴ……」


雨宮林檎(あめみやりんご)は、私の親友。かわいい系のリンゴとはタイプが違うけど、なんだか話が合う。


「そうだアンちゃん!いよいよ明日だね!」
「明日…あっ!うん、絶対行こう!」
「「プラネタリウム‼‼」」


私たちが友達になったきっかけ、それはプラネタリウム。
小さい頃に流星群を見てから星が大好きになって、通いつめてたプラネタリウム館で知り合った。


だいぶ古くなっていたプラネタリウム館が明日、リニューアルオープンする。
このままつぶれちゃうかと思っていたから、私たちのテンションは上がっていた。


「天文部で行くの?」
「あ、亮輔くん」


盛り上がってる輪の中に、にこやかな笑顔で真島くんが参加してきた。
にこやか……何かを隠してる笑顔にも見える…


「違うよ?アンちゃんと2人で行くの」
「部内でその話あがってないもんね」
「天文部なのにね。やっぱりみんな、興味ないのかなぁ」


天文部、とは名ばかりで、実際部員は少ない。先輩3人、同級生4人(うち幽霊2人)、今年は新入部員が入ってこなかったから、廃部寸前。先生も来ないし。


「じゃあチヨ先輩は一緒じゃないんだ…」
「ん?何か言った?真島くん」
「あぁ別に。なんでもないよ?」


真島くんはまた微笑んだ。
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