メガネ殿とお嫁さま
「りったん、
なんで、そんなになっちゃったの?
昔は可愛かったのに。」

沙羅が、純真無垢な目で
僕を見た。

「俺たちと一緒に、
幼稚舎からずっと鳳凰に
通えばよかったのに。」

要くんが、これまたキラキラした笑顔で
言葉を放つ。

いや、
僕は感謝すらしてるよ。

君たちみたいにならなくてね。

「天下の日野原財閥を継ぐのに、
どんどんお金持ちらしくなくなってくね。」

天真爛漫な岩ちゃんの瞳が
痛い。

「今日、エステ来るって言ってたよ。
理太ちゃんも受けようよ。」

大発見みたいに言わないで、
翠さん!

「理太にだって考えがあるんだ。
一緒にジャングル行こーぜ!」

シュウくんと一緒にしないで。



「み、みんな、
祝ってくれてありがとう。」

俺は、おとなしく
そう言うしかなかった。

そして、
俺たちは、この時、
まだ知らなかった。


さらに特異な7人目の
クラスメイトが
加わることを。
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