メガネ殿とお嫁さま
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「つ、疲れた。」

僕は、迎えの車の中で、
突っ伏した。

あのあと、
やれ、祝いだ、宴会だと
騒ぎ立て、結局、
園山ホテルのスウィートで、
プレゼントお披露目会が行われた。

とりあえずは、
ありがたくいただき、
馬以外は、
家に持ち帰ることにした。

あと、疲れた1番の原因は、
アルバムだ。

昔の写真を引っ張り出したと思ったら、
僕の眼鏡を外そうと
それはすごい勢いで襲われた。

小一時間は
死闘かと思うほどの
鬼ごっこで幕を閉じた。

いつもこうだ。
みんな地位も名誉も学力もあるのに、
最後は決まって鬼ごっこだ。

「大人なのか、
子どもなのか全然わかんないよ。」

僕は山下さんに言った。

まぁ、眼鏡は死守できたけど。


「ぼっちゃま。

彼らは、
お金を持っている子どもですよ。」

山下さんは、割と言う時は言う。


僕は、
その通り!と指を鳴らした。

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