メガネ殿とお嫁さま
いつの間にか、
彼女に動かされたんだと思う。
僕は、日野原家を継ぐことを決めた。
ただのバカ息子だと言われないよう、
社員を導く人間になろうと
勉強にこれまで以上に力を入れた。
大学も外部に行くことにした。
もう、恋愛をする気はない。
彼女以上に好きな人は出来ないと思う。
だけど、
いつか仕事がきちんと出来るようになって、
それを支えてくれるパートナーが出来たら、
きっと大切にしようと思っている。
きっと日野原家の嫁となれば、
辛いこと、
嫌なこと、
数え切れないほどあるだろう。
自由もなく、
ただ、家柄に縛られ、
孤独を味合わせるかもしれない。
でも、それでも、
その人だけを大切にしようと決めた。
それも、やっぱり、
彼女のおかげなんだと思う。