メガネ殿とお嫁さま
「こんな半端なことをせんだら、
誰も傷つかんかった。
あわよくばと考えていなければ
お前もあの子も苦しむことはなかった。」
お祖父様は尚も言った。
「いいえ、問題は、それだけではありません。
僕は、どちらにしても
彼女と一緒にはなれなかった。」
それは、本当のことだった。
僕は、あののびのびとした風景に
思い切り深呼吸をする彼女を思い出した。
彼女がもし、僕の隣にいてくれたら、
きっと僕は、彼女のために、
全てを捨てたと思うから。