不順な恋の始め方

「森下、今度の日曜空いてる?」

「え?」

「今度の日曜、またみんなで飲み会するみたいですよー? 先輩も行きましょうよー」

「え……あ、うん。」


会社の定休日である日曜日。

特に何もすることもないだろうし、譲もきっと参加するだろうし、断る理由の見つからなかった私はコクリと一度頷く。



「やったー!森下先輩も来てくれるなら私楽しみ!」

「いや、森下は来るだろ。休日に予定なんて無いだろうし。うん」

「なっ!そんな事ないから!馬鹿にしないでよ、大橋!」


私の参加を喜んでくれる菅ちゃんに、またいつものように私をバカにしてくる大橋。

大橋にバカにされた事で腹を立てつつも、私はやっぱりこの会話と雰囲気に安心していた。


ただ、この2人に隠し事をしているんだと思うと罪悪感に見舞われ、どうしようもなくなるけど。

この2人には、いつか話したいな。話せたら、いいな────。




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