罪づけ




「これみんな岡村くんの? 営業って大変そうよね。お疲れさま」

「そうですねー、楽じゃないです。でも、おれ結構楽しんでるんでー!」



あっけらかんと告げられた言葉。

言葉通りの表情にそう、と小さく笑みを浮かべた。



岡村くんは本当に人を相手にする職が向いているのね。私が営業なんかに行ったら大変なことになるのに。

向き不向きを感じつつも、真面目に取り組む彼は好印象でいくばくか柔らかい表情になるのが自分でもわかった。



「拾うの、手伝うわね」

「わー、助かります!」



彼がこんな風に頑張ることができるのは元々の人格。

それから、────薬指に光る指輪と揃いのものをつけている人の存在かしら。



確か去年の春、彼は「結婚したんですよー」と言っていた。



薬剤師の彼女は大学や職種は違えど高校が同じだったとか。

その頃から付き合っていたのかしら。それってとてもすごいことよね。



長い時を過ごして。
そばにいられなくても、相手を想って。

不安、喜び、切なさ、愛しさ。それらを抱えて歩んできたのね。

難しいことを、乗り越えてきたのね。



成し遂げて、共に生きていくことを決めた人たちはなんて……。なんて、眩しく輝いているのだろう。



「幸せそうね……」

「え?」



私の突然すぎる発言に岡村くんが目を瞬いた。私ははっとしてごめんなさい、と謝る。

紙を拾い上げる手が止まってしまうほど困惑させてしまったらしい。






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